下北沢の路地に在る、大人の隠れ家的イノベーティブ系和食屋「namida」

「料理」を論理的かつ芸術的に扱う田嶋善文(たしまよしふみ)オーナーシェフが営む、日本酒・自然派ワインに合う料理を提供する「namida」

セオリーにとらわれない斬新で奇抜な発想から生まれる洗練された料理と、気さくな人柄とのギャップもお店の人気のひとつ。

料理人としての経験や発想をもとに「商品開発・空間・体験・PR」などさまざまな手法で、食の問題を解決するプロジェクトを発足するなど、活動も多彩。

2024年7月10日に10周年を迎える。

- 10年前の開店時と現在で、当時を振り返ってみて想像していなかった事などはありますか?

当初から5年、10年と地域に根づいた営業をしたいという想いをもっていたのですが、思いがけない繋がりから地域の病院の病院食開発や、線路跡地の開発に携わらせていただくことができました。少しは地域に根ざした活動が実を結んだと思っています。

- 日本酒やワインに合う料理を生み出すにあたり、どういった思考フローで一皿を作られてますか?

過去の経験(食、酒、味、季節などすべて)の点と点が繋がって1本の線(公式)となったとき、その公式に食材や酒の味わいを代入していくと一皿ができ、さらにそこから食材の水分や季節による体感(夏は汗をかくから塩分が美味しいとか)を最後に調整(増減)すると料理ができあがります。

季節を伝えることも和食の仕事なんじゃないかなと。季節感とか風土の景色が見えることも意識しています。

- お酒やお料理のこだわりは勿論さることながら、調理服が白衣という、田嶋シェフのビジュアルも印象的ですが、調理服のこだわりなどはありますか?

まずは、さっと着れること。涼しいこと。汚れたらすぐにわかり、クリーニングに出しやすいこと。もう一つ調理服としては、油が飛んだり熱湯が飛んだりすることから身体を守る役割もあると思いますが、namidaではそういった危険性はないので(中華とかではないから)衛生的にも機能的にも白衣がぴったりハマりました。

自分が食べるんだったら、やっぱりサラっとした清潔感のある料理人が使った食材とか料理を食べたいので、脱ぎやすくて汚れが付いたらすぐ目立つ、そして洗いやすい。

見た目的にも全然違和感がないというか、むしろ良く合うというか向いているんですよね。

― 店内の雰囲気についてこだわりがあれば教えてください。どんな雰囲気を演出していますか?

これからも地域に根ざした営業という軸は変わらずに、もう少しお客様に寄り添って入りやすい間口の広さを目指していきたいと個人的には思っております。そして、金銭的な利益だけでなく業界にとどまらない領域でどんどん料理人がやれる仕事というのを示していきたいです。(現在、商品開発で登山用トレイルフードブランドのシェフを担当している)

 

毎年やっているワインの日と日本酒の日を決めて執り行う特別ディナーは今年も開催します。10周年ということで他のシェフとのコラボ営業などもやれたらと思っていますが…(まだ発表できるものはありません)

 

自分より若い世代にフィールドを作っていくこと。そして現存するお店の50代60代のトップオブトップで走り続けている方をリスペクトし、料理の仕事をやっぱりちょっと憧れられるようにしたい。今そんな立場にいると思うんです。これからの10年の目標はやっぱりこれですね。

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  • namida | ナミダ

    東京都世田谷区北沢2-28-7 エルフェアシティ下北沢2 1階
    電話:03-6804-7902
    営業時間:18時〜(完全予約制 ※前日まで)
    定休日: 不定休

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